みなさん、こんにちは!!オヤジギャグを駆使しながら全てのお客様を必ず笑顔に導くオヤジギャグ ダンストレーダーのカトゥーン(@take4118)です。
最近ハマっているのはコメダ珈琲のブラックアイスコーヒー ……。
『だから何?』と言われそうですが(笑) ちょっと言ってみたかっただけです。
私の趣味嗜好はどうでもよくて、今回は『プロスペクト理論』についてお話していきたいと思います。
このプロスペクト理論はトレードの分野だけでなくコピーライティングやマーケティングの分野でも取り上げられることが多い理論ですが、簡単に言ってしまうと人間の本能的思考に基づいた行動パターンを示す理論です。
トレードでやってしまいがちな失敗の代表例、
・チキン利食いしてしまう
・損切りが出来ない
は、実は人間が本来持っているプロスペクト理論が引き起こしています。
この記事ではプロスペクト理論の説明はもちろんですが、簡単な質問を50人に行いプロスペクト理論が人の判断に対してどのような影響を及ぼすのかを検証をしてみました。更にその検証結果を踏まえて、トレードにおいてどのような思考を持てばよいのかをわかりやすく考察&説明しています。
本記事が皆様のトレードに少しでもお役に立てましたら幸いです。それでは参りましょう!!
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論とは以下の様に定義されています。
プロスペクト理論(プロスペクトりろん、英: Prospect theory)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。 選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。 行動経済学における代表的な成果としてよく知られている。
Wikipediaより引用
正直、この文章を読んだだけではちょっとわかりずらいですよね…。一般的プロスペクト理論は、
『人は失った感情(悲しみ)の方が、得た感情(喜び)よりも大きい』
と説明されています。お金使って例えるなら、
『10万円失ったときの悲しみの方が、10万円を得た喜びよりも大きい』
ということになります。
この説明だと『人は損失を嫌うんだな』くらいは理解で出来ますが、プロスペクト理論がトレードへどのような影響を及ぼすのかっていまいち理解に苦しみませんか?
でも大丈夫です!!この後の項目でわかりやすく説明していきまので、安心してください!!!
安心してください!!!
……
履いてますよ(笑) ←古い
スイマセン…思わずくだらないギャグを言ってしまいました(笑)
話を戻しまして、実はプロスペクト理論というのは2つのパターンに分けて考えるととても理解しやすいです。更に、本記事の冒頭でお話した『チキン利食いしてしまう/損切りが出来ない』という失敗の原因にプロスペクト理論がなぜ影響しているのかということもすごく腑に落ちてきます。次項からはその辺りを2つの質問を通じて説明していきましょう。
あなたはどちらを選ぶ?
以下の様な2つの質問があります。みなさまならどちらを選ばれるでしょうか?
どうでしょう。ぜひご自身で答えを考えてみてください。当然ながら、質問に答えたからと言ってあなたのお金が減るということはないのでご安心ください(笑)。
実は私、この2つの質問を知り合いの方々50人にしてみました。なお、質問をさせて頂いた方々はトレードを全く知らない方々です。
さて回答結果は……
とその前に、2つの質問の期待値を考えてみましょう。それを踏まえて回答結果をご覧頂いた方が面白いと思いますので!!
2つの質問の期待値
期待値については、以前の記事でもまとめましたがもう一度おさらいしておくと、
期待値とは、1回の試行で得られる値の平均値のことで、得られうるすべての値とそれが起こる確率の積を足し合わせたものです。
統計WEBより引用
という事になります。つまり『1回の試行で得られる利益/損失の平均値』ということです。先の2つの質問における期待値は以下の様になります。
上記の表より、期待値を踏まえて合理的な答えを選ぶなら、
・質問①:獲得利益の大きいBを選ぶべき
・質問②:損失金額の少ないCを選ぶべき
となります。
期待値が高いという事は大きな利益を得やすい/大きな損失を出しにくいわけですから、期待値に沿った”合理的判断”をするならば質問①はB、質問②はCを選ぶべきなんです。
では、質問にご回答頂いた50人の方々はこの質問に対してどのような選択をされたのでしょうか?期待値に沿った”合理的”な選択をされたのでしょうか。それとも……
因みに、先ほどもお話したように、質問をさせて頂いた方々はトレードを全く知らない方々です。
2つの質問の回答結果
回答結果をグラフにまとめてみました。
いかがでしょうか。一目瞭然ですが、明らかに回答が偏っていますね。
多くの人が選択した回答は、期待値から考えて“合理的ではない選択肢”です。因みに、ここまで選択肢が偏るとは思っていませんでした(笑) 当然ですが質問する際、誘導尋問のように“こっちを選んだ方がいいよ~”なんてことは一切伝えていません。
各質問において、選択した理由も聞いてみました。
◎質問①でAを選択した理由
・無条件で100万円もらえるならその方がいい。
・サイコロを振って決めるようなギャンブルはしたくない
・300万円は欲しいが確実にお金がもらえるAの方がいい。
◎質問②でDを選択した理由
・単純に100万円を失いたくない
・ギャンブルではあるが取られない可能性がある偶数が出ることに賭けたい
他にも色々な理由がありましたが、まとめると上記のようになります。
さて、ここで上記の理由もう一度よ~く見てみてください。質問①では『ギャンブルなんてしたくない』と言っているのに、質問②では『ギャンブルではあるが損失を回避出来る可能性に賭けたい』と言っています。
これって明らかに考え方が矛盾してますよね。何故なら、
・利益を獲得出来る質問①→ギャンブルなんてしたくない
・損失を被る質問②→ギャンブルして損失を回避したい
一方で“ギャンブルなんて嫌だ”と言っているのに、もう一方で“ギャンブルしたい”と言っている。明らかに一貫性がありません。あっ、この理由を話された方を批判しているわけではないので誤解なさらないでくださいね…。
つまり、質問の回答結果から導き出される結論は、
利益を確実得られる局面では確実性を選び、損失を被る局面では回避性を選ぶ。
となります。これがまさに、この記事の最初でご説明したプロスペクト理論の正体です。
人はプロスペクト理論に基づいて物事を考える
トレードでやってしまいがちな失敗の代表例であるチキン利食いや損切りが出来ないという失敗は、前項で説明した『利益を確実得られる局面では確実性を選び、損失を被る局面では回避性を選ぶ』という人が本来持っている思考パターンが引き起こしています。
・チキン利食い→利益を確実に得たい
・損切り出来ない→損失を被りたくない
プロスペクト理論は全ての人間に当てはまります。人がなぜこの様な思考パターンを持っているのかについては諸説ありますが、その一例をご紹介します。
原始時代に遡りますが、その頃は食料を確保するために動物を狩って備蓄するなどしながら生活していました。ということは、食料がなくなればエネルギーを補給出来なくなり命の危機に直面します。原始時代には現代の様にスーパーやコンビニもありません。つまり、食料がなくなると死んでしまうという危機感が”失う”ということに対する恐怖や不安を人の意識に強く植え付け、その結果プロスペクト理論の思考が作り上げられたとされています。
トレードでは確率思考で考えるべき
トレードをする目的は『口座のお金を増やすこと』です。しかし、プロスペクト理論が働いて人間は目先の損得勘定にフォーカスしてしまい、期待値に基づく合理的な判断がなかなか出来ません。つまり、お金を増やしたいと思っているのに結果的には減らす方向の選択肢を選んでしまう行動を取ってしまいます。
トレードにおいて全てのエントリーで利益を得るなんていう神業は絶対にありえません。損切りは避けられないんです。でも、普通に考えればお金は大事なものなので減らしたくないと考えるのが人間です。そうしたマネープレッシャーが損切りを躊躇させてしまう。人間である以上これは仕方ないことなんだと思います。
だからこそ、トレードにおいてはプロスペクト理論とは逆の『期待値に基づいた確率思考』で判断しないといけないわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私の師匠である波乗りジョニー先生(@naminori_jhonny)は『長期的に利益を増やすことを考えよう』と仰っておられます。
私はこの”長期的に利益を増やす思考”こそが確立思考であると確信しています。何故ならトレーダーを志した以上は、何十年と相場とお付き合いしていかなくてはいないのですから。
その為に、プロスペクト理論に基づいてトレードで負ける様な思考を捨てて、期待値に基づいた確率思考にシフトしなくてはいけません。
私もまだ成長中の身ですが、この記事が一人でも誰かのお役に立てましたら幸いです。
これからも、有益な記事を作成していきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
いつもありがとうございます!!