こんにちわ、ウイスキー研究家YUKI(@whisky_ex_yuki)です。
昨今のウイスキーブームで酒販店に行くとウイスキーが沢山溢れかえっています。愛飲家としては大変嬉しい限りなんですが、初めてウイスキーを飲む方々にとってはどの銘柄を選べば良いのか悩むと思います。確かにウイスキーの香りや味はもちろん、蒸留所の特徴などを知っていれば銘柄を選ぶ基準ができますが、何も基準がないと銘柄選びも難しいかもしれません。
今回からウイスキーの銘柄選びの参考になればと思い、蒸留所情報やウイスキーレビューを僕なりにまとめていこうと思います。
今回は第1弾としてアイラ島にある「カリラ蒸留所」から紹介していきます。
カリラ蒸留所について
カリラ蒸留所はアイラ島北東部に建っており、蒸留所のすぐ横に海が面しています。”カリラ”という言葉ですが、ゲール語で「アイラ海峡」という意味で名前の通り蒸留所の前に潮流の激しいアイラ海峡が流れています。
特徴①:アイラ島最大の生産規模
カリラ蒸留所の生産規模はアイラ島の中で最も大きく、年間650万Lの生産能力を持ち合わせています。
アイラ島で2番目の生産能力を持つラフロイグ蒸留所が330万Lなので、その生産規模は圧倒的です。
特徴②:ブレンテッドウイスキーのキーモルト
現在はシングルモルトとして人気のあるカリラですが、昔はカリラ蒸留所が造る原酒の98%はブレンテッド用のものでした。
カリラをキーモルトとして採用している有名なブレンテッドウイスキーがジョニウォーカーです。
スコッチのブレンテッドウイスキーにはアイラモルトをブレンドしないものはほとんどなく、ブレンテッド用のアイラモルトを最も多く提供してきたのがカリラ蒸留所でした。
シングルモルトとして世間の目に触れ始めたのが2002年。花と動物シリーズの後継シリーズとして、ブランド名よりも味を重視した「ヒドゥンモルトシリーズ」でカリラ12年、18年、カスクストレングスが同時にリリースされました。
このことをきっかけでカリラのシングルモルトが人気となり、カリラ蒸留所のシングルモルトの生産比率を15%程度まで増えています。
ウイスキー造りのこだわり
上記の動画はカリラ蒸留所内の様子を撮影した動画なので参考に見て頂ければと思います。
カリラ蒸留所のウイスキー造りのこだわりは下記に簡単にまとめています。
①麦芽
使用している麦芽はラガブーリンと同じポートエレン製で、スモーキーさの度合いを示すフェノール値は34-38ppmと高めです。
②仕込み(糖化・発酵)
糖化槽はブリッグス社製フルロイタータンで12.5トンの麦芽で約5.8万Lの麦汁を抽出しています。発酵槽はオレゴンパイン製8基、ステンレス製2基とアイラ最大規模です。酵母はラガブーリンと同様にマウリ製リキッドイーストを使用しており、発酵時間55-58時間で8-10%のモロミを造り上げます。
③蒸留・熟成
ポットスチルは初留釜3基、再留釜3基で全てかなり大きいサイズでストレートヘッドです。
ラガブーリンと同じ麦芽で同じ製法で造っていますが、ラガブーリンが重厚な味わいにも関わらずカリラがライトな酒質に仕上がるのは、ポットスチルの形状やラインアームが水平であることが起因しています。
ウイスキーレビュー
カリラには様々な銘柄あるので、今後は銘柄レビューを随時更新していきます。
カリラ12年
色:明るめのゴールド
香り:上品なスモーキー香に中に甘くフルーティーな香り
味:スモーキーさとピリリとする塩味、仄かに舌に残る甘味
余韻:甘くスモーキーさが尾を引く
アイラモルトの中でも上品なスモーキー感でフルーティーな香り味わいが心地よく感じるウイスキーです。スモーキー感が強すぎるとウイスキー本来の香り味わいが霞みがちですが、カリラはそのバランスが絶妙で後味もすっきりしているのでアイラモルトを初めて飲む方におすすめです。
まとめ
カリラ蒸留所の特徴やウイスキーレビューは参考になりましたでしょうか。ウイスキーを選ぶ際の参考にしてもらえると嬉しいです。今後はスコッチやバーボン、ジャパニーズを中心に記事を書いていこうと思います。