こんにちわ、ウイスキー研究家YUKI(@whisky_ex_yuki)です。
前回に引き続き、蒸留所の紹介とウイスキーレビューを記事にしました。
今回は第8弾としてアイラ産100%のウイスキーを造る「キルホーマン蒸留所」を紹介します。
キルホーマン蒸留所について
キルホーマン蒸留所はアイラ島の北西部に位置し、スコットランドの中でも最西端に建っています。2005年創業の新しい蒸留所でアイラ島の海岸沿いに建っている他の蒸留所とは違い内陸側でウイスキーを造っています。
特徴①:アイラ産100%と謳える唯一の蒸留所
キルホーマン蒸留所は、大麦の栽培、製麦(フロアモルティング)、糖化・発酵、蒸留、熟成、ボトリングの全ての工程を自社で行っています。ブルイックラディ蒸留所もテロワールとアイラ産にこだわっていますが、2023年フロアモルティング製麦棟が建設予定ではありますが現在は本土のインバネスの製麦業者に製麦を委託していますので、キルホーマン蒸留所がアイラ島で唯一100%アイラ産と謳うことができる蒸留所です。
特徴②:クラフトディスティラリーの先駆け
キルホーマン蒸留所は、1881年創業のブナハーブン蒸留所から124年ぶりにアイラ島に新しく誕生した蒸留所です。ただ、当時はウイスキー不況から回復傾向でしたが現在のようなウイスキーブームはなく、スコッチ業界の中では本当に蒸留所を建設するのかと蒸留所が稼働するまで疑っていたそうです。現在は小規模な蒸留所ながらも大麦の栽培からボトリングまで自社で行うこだわりから人気を博し、2017年には設備増設を行い、生産規模を倍増させています。2017年にはアイラ島9番目になるアードナッホー蒸留所が誕生し、スコッチ業界でもクラフトウイスキーブームとなっていますが、キルホーマン蒸留所はクラフトディスティラリーの先駆け的存在です。
ウイスキー造りのこだわり
麦芽
自家製麦芽(10-20ppm)25-30%、ポートエレン製麦芽(38-50ppm)を使用していますが、100%アイラ産ウイスキーを造るために2種類を混合せずに別々で仕込んでいます。
糖化、発酵
1回の仕込みで使う麦芽は1.2トンでアイラ島の中で最小の仕込み量です。糖化槽はセミロイタータン式で6000Lの麦汁を搾り取ります。発酵はマウリ製イーストを使用してステンレス製の発酵槽で行われます。
蒸留
ストレートヘッド型の初留釜1基、バルジ型の再留釜1基でしたが、生産規模を増大させるために新たにポットスチル2基(糖化槽、発酵槽も新たに追加)を導入しています。
ウイスキーレビュー
キルホーマン マキヤーベイ
色:薄い黄金色
香り:焦げ臭、フレッシュな柑橘系
味:強いスモーキー、バニラ様の甘味、レモン
余韻:フレッシュでスモーキーさが鼻を抜ける
3年から5年熟成の若い原酒を使用しているにも関わらず、味わい深くウイスキー造りのこだわりが感じられる銘柄です。スモーキーながらもフレッシュでフルーティーな味わいは早熟ながらもバランスが取れていて飲みやすいです。
まとめ
キルホーマン蒸留所の特徴やウイスキーレビューは参考になりましたでしょうか。キルホーマン蒸留所は稼働し始めてから間もないこともあり、これから熟成を重ねたウイスキーが出てくると思うので今後リーリース毎にレビューしていきたいと思います。