こんにちわ、ウイスキー研究家YUKI(@whisky_ex_yuki)です。
前回に引き続き、蒸留所の紹介とウイスキーレビューを記事にしました。
今回は第4弾として数少ない伝統的なフロアモルティングを行う「ラフロイグ蒸留所」を紹介します。
ラフロイグ蒸留所について
ラフロイグ蒸留所はキルダルトン3兄弟と称される蒸留所の中で最も西側に位置する王室御用達の蒸溜所です。ラフロイグはゲール語で「広い入り江の美しい窪地」という意味です。
特徴①:アイラナンバーワンの販売量
ラフロイグのオーナー会社はビームサントリーということもあり、日本のスーパーなどでもよく売られていますがアイラモルトの中で最も売れているのはラフロイグです。その販売量は年間370万本でアイラモルトの中でも断トツで、日本だけでなく世界で最も売れているアイラモルトです。
特徴②:伝統的なフロアモルティング
ラフロイグは自社で伝統的な手法であるフロアモルティングにより麦芽を造っています。フロアモルティングとは、 大麦を床に広げて発芽が均一に進行するように人の手により撹拌させて麦芽を造る伝統的な手法です。フロアモルティングは手間がかなり掛かりますが、メリットとして麦芽の個性を出すことができます。麦芽を乾燥させる際にピートで炊いてスモーキーな香りを付けますが、ピートの採取地によって海藻様やヨード香、焦げ臭など様々な香りも付与することができます。つまり、モルトスター(製麦業者)から仕入れる麦芽より蒸留所が理想とする個性豊かな麦芽を自社で造ることができるのがフロアモルティングを行っている蒸留所の強みです。
フロアモルティングを行っている蒸留所はラフロイグ以外に6カ所あり、ボウモア、スプリングバンク、ハイランドパーク、キルホーマン、ベンリアック、バルヴェニーがあります。
ウイスキー造りのこだわり
上記の動画はラフロイグ蒸留所内の様子を撮影した動画なので参考に見て頂ければと思います。
ラフロイグ蒸留所のウイスキー造りのこだわりは下記に簡単にまとめています。
麦芽
フロアモルティングで造る自家製麦芽15%(フェノール値:45-50ppm)、ポートエレン製85%(フェノール値:34-38ppm)を混合して使用している。
糖化、発酵
糖化槽はステンレス製で麦芽5.5トンから2.7万Lの麦汁を抽出します。ステンレス製の発酵槽が6基あり、ラガブーリンと同じマウリ製のリキッドイーストを使用しています。発酵時間は55時間で8%程度のモロミを造っています。
蒸留
初留釜3基、再留釜4基と数だけはアイラ最大ですが、一つ一つのポットスチルのサイズはかなり小さいです。再留釜はランタンヘッド型でラインアームも上に向かって曲げられているので、重い成分が抑えられ、強烈なスモーキーさを感じながらもすっきりとした味わいを生み出しています。
ウイスキーレビュー
ラフロイグには様々な銘柄あるので、今後は銘柄レビューを随時更新していきます。
ラフロイグ 10年
色:濃い目のゴールド
香り:消毒液様のヨード香、磯の香り
味:ヨード香が口に広がる、微かな甘味
余韻:鼻から抜けるヨード香が心地よい
ラフロイグは好きか嫌いか明確に分かれるウイスキーですが、個人的にはライフイグの強烈な香りと味わいが大好きなウイスキーです。おそらく甘く華やかなウイスキーが好みの方には不向きで、スモーキーでパンチの効いたウイスキーが好きな方にはおすすめなのかなと思います。オーナー会社がビームサントリーなのでスーパーなどでも購入することができるので一度飲んでみてはいかかでしょうか。
まとめ
ラフロイグ蒸留所の特徴やウイスキーレビューは参考になりましたでしょうか。ラフロイグは世界的にも人気が高いウイスキーですが、好きになるか、嫌いになるか明確に分かれるウイスキーでもあります。アイラモルトのようなスモーキーなウイスキーが好みの方は是非とも試してみて下さい。